媒介契約のおはなし

ケン・トラストからのお知らせ 2024/09/13

INFO

媒介契約のおはなし

不動産の売買・交換等を行う際に不動産会社に取引の成立に向けて活動するよう依頼する契約のことを媒介契約といいます。
売買の媒介契約には3種類あり、それぞれ「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」となります。
下記にそれぞれの媒介契約について簡単な説明をさせていただきます。

 

  専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
依頼可能数 1社 1社 数社に可(1社も可)
自己発見取引 不可
期間 最長3カ月 最長3カ月 最長3カ月
レインズへの登録 必要(5日以内) 必要(7日以内) 任意
業務状況確認 1週間に1回以上 2週間に1回以上 任意
媒介の更新 不動産会社との合意に基づき可 不動産会社との合意に基づき可 不動産会社との合意に基づき可

 

このような形で3種類に分かれています。
では、どの媒介契約を結べば良いかについてを今回はお話していきたいと思います。

まず、多くの不動産会社は


「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」のどちらかを結んだ方が良いと思います。

と言ってきます。
自己発見取引に違いはありますが、依頼できる不動産会社は1社のみとなりますので、売買が完了し引渡しの際に支払われる仲介手数料(不動産仲介は成功報酬となります)の取りっぱぐれが発生しにくくなります。
もし一般媒介にして他の不動産会社によって売買が成立してしまった場合は一銭も入ってこなくなってしまいます。


不動産会社としては売上機会の損失を防ぐために、ほぼ「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」のどちらかを進めてきます。
ですが、これはあくまで不動産会社の都合であってお客様に寄り添っているかどうかというと決して寄り添っていないと私は思っております。


ただし、「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」がダメなのかというとそうではありません。


いろいろな業者に頼んだ方が良いと思って「一般媒介契約」を選んだ場合も難しい局面に遭遇することがあります。
一番多いと感じているのが、頼まれた不動産会社のやる気の違いです。
「一般媒介契約」は表にもある通り、数社に依頼を掛けることが可能です。
また、レインズ登録や業務状況確認として依頼人への報告義務についても任意となります。
不動産を売却する場合、実は調査を行う際に細かな費用が多くかかってきます。
まずは、現地や役所に向かう際の交通費、様々な資料を取り寄せる際の費用、実際に物件の状態を把握するための調査費用など多岐にわたります。
これらを依頼人がすでに用意していれば話は別かもしれませんが、なかなかそうはいきません。


しかし、他の不動産会社が契約を成立させて仲介手数料を取りっぱぐれるリスクがあるという場合、他の「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」の物件に重きを置いた方が良いと判断されることが多いからです。

やっぱり不動産会社都合ですね。

 

私の考えではありますが、「一般媒介契約」にはある魅力があると思っております。
それは、他人に知られずに不動産売却をしやすいということです。

「一般媒介契約」の場合、複数社に依頼を掛けることができるができますが、これは1社のみでも可能となります。
また、レインズ登録も任意となりますのでポータルサイトにアップせずとも売却活動を依頼することが可能となります。
不動産はデリケートなものですし、業界に従事している数も多い職種となりますので、意外なところからご自分の所有している不動産の売却情報が出回ってしまうケースもあります。
そういったことを回避したい方などは「一般媒介契約」も選択肢に入れるべきだと思います。

弊社としては、他の不動産会社にて売買が成立してしまうリスクはありますが、その時は自分の力不足と割り切っております。


今回は媒介契約のおはなしとして、3種類の媒介契約の特徴をつかんで、どれが適切なのか判断することも大切ということを話させていただきました。
この議題にするにあたって本当はもっといろいろなことを書きたいのですが、書いてしまうと特定の会社批判にもなってしまいそうなので…
すこーし嫌な取引があったので書かせていただきました。

もし興味あればお問い合わせいただけますと幸いにございます。

 

 

監修者情報

有限会社ケン・トラスト代表/権 光哲

有限会社ケン・
トラスト代表権 光哲

横浜を拠点に20年以上の実績を持つ不動産会社、有限会社ケン・トラストの代表。
飲食店ビルオーナーとしての自分自身の経験を活かし、不動産業界のさまざまな問題解決に対応。
ビルの売却をはじめ、賃貸や投資など、不動産に関するお客様のお悩みを解決している。

公益社団法人神奈川県宅地建物取引業協会 所属

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